昔のバレーと今のバレー、なんか違うよね」
そう感じたことはありませんか?試合の進み方が速い、一気に点差がひっくり返る、格下チームが強豪を倒す番狂わせが起きる…現代バレーボールのこうした特徴は、選手の技術だけが理由ではありません。
1999年に行われたたった一つのルール改正が、バレーボールというスポーツの本質を根底から変えたのです。
今回は、バレーボールの得点ルールである**「サイドアウト制」と「ラリーポイント制」**の違いを解説します。この2つを理解するだけで、バレーボール観戦の面白さが一段階上がります。
まず「サイドアウト制」とは何か
1999年以前のバレーボールは、サイドアウト制というルールで行われていました。
ルールはシンプルですが、現代のバレーとは大きく異なります。
サーブ権を持ったチームがラリーに勝ったときだけ、得点が入る。
つまり、相手のサーブ中にどれだけ頑張ってラリーを制しても、得点にはなりません。サーブ権を奪い返すだけです。
サイドアウト制の試合はこんな感じだった
具体例で考えてみましょう。
チームAがサーブを打ちます。チームBがそのラリーを制しても…得点ゼロ。 ただサーブ権がBに移るだけです。次のラリーもBが勝てば、ようやく1点入ります。
この繰り返しのため、試合の得点がなかなか動かず、試合時間が非常に長くなるのがサイドアウト制の特徴でした。
「守り勝つ日本バレー」が生まれた理由
サイドアウト制の時代に生まれた戦術が、**徹底的な守りを軸にした「守り勝つバレー」**です。
なぜか。サーブ権を持っているチームは「得点を取りにいくより、ミスをしない方が有利」という考えが働くからです。攻撃的に仕掛けてミスをするより、丁寧にラリーを続けてサーブ権を維持する方が得策でした。
かつてバレーボールが「日本のお家芸」と呼ばれていた時代は、まさにこのサイドアウト制の時代です。海外選手と比べて平均身長が低い日本にとって、守り抜いてサーブ権を奪い続けるスタイルは非常にマッチしていました。
ただしデメリットもありました。試合時間が長くなりがちで、選手への肉体的な負担が大きく、選手生命が短かったという事実があります。
1999年、すべてが変わった「ラリーポイント制」の導入
1999年、バレーボールのルールが大きく変わりました。
ラリーを制したチームに、サーブ権の有無に関わらず得点が入る。
これがラリーポイント制です。現在も採用されているルールです。
このルール改正が変えた「3つのこと」
① 試合のテンポが劇的に速くなった
どのラリーでも得点が動くため、試合の進行が一気に速くなりました。これによりテレビ中継との相性が良くなり、バレーボールの露出が増えていきました。
② 攻撃スタイルが「守り」から「攻め」へ転換した
どんな状況でも得点が入るルールになったことで、「いかに得点を取るか」という発想がチーム全体に生まれました。様々な攻撃パターン・速攻・ジャンプサーブなど、現代バレーを彩る多様な技術はこのルール改正後に急速に発展したと言っても過言ではありません。
③ 「番狂わせ」が起きやすくなった
これが最も見ている側に影響した変化かもしれません。
サイドアウト制では、実力差があるチームに逆転されにくいという特性がありました。しかしラリーポイント制では、どのラリーでも得点が動くため、格下チームが一気に連続得点して流れをつかむことが可能です。
実力差があっても一発の好サーブや好ブロックで流れが変わる。この「何が起こるか分からない緊張感」こそが、現代バレーボールをより面白くしている最大の要因です。
2つのルールを並べて比較してみると
| サイドアウト制(〜1999年) | ラリーポイント制(1999年〜) | |
|---|---|---|
| 得点が入るタイミング | サーブ権を持つチームがラリーを制したとき | ラリーを制したチーム(どちらでも) |
| 試合時間 | 長くなりがち | 短く安定している |
| 主流の戦術 | 守り勝つバレー | 攻め勝つバレー |
| 番狂わせの起きやすさ | 起きにくい | 起きやすい |
| 選手への負担 | 大きい(試合時間が長い) | 比較的少ない |
| テレビ中継との相性 | △ | ◎ |
まとめ:ルールが変わると、スポーツそのものが変わる
1999年のたった一つのルール改正が、バレーボールを「守るスポーツ」から「攻めるスポーツ」へと根本から変えました。
現在私たちが当たり前のように楽しんでいる、スピーディーな試合展開・多彩な攻撃・手に汗握る逆転劇…これらはすべてラリーポイント制があってこそのものです。
次にバレーボールの試合を見るとき、「このラリーで流れが変わるかもしれない」という視点で見てみてください。きっとこれまでとは違う面白さが見えてくるはずです。
バレーボールをもっと深く楽しみたい方へ
ルールの次は、バレーボールの専門用語を知るとさらに観戦が楽しくなります。「ディグ」「フェイント」「パイプ攻撃」など、知っているだけで試合の見方が変わる用語をまとめた記事もあわせてチェックしてみてください。
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