バレーを続けていると、練習がマンネリ化してモチベーションが落ちてくる時期が必ずきます。それは技術の伸びが鈍化しているサインでもあります。この記事では、経験者が陥りやすい「こなすだけの練習」から抜け出し、試合で使える力を身につけるための考え方と具体的な方法を紹介します。
この記事の内容
- 1練習に「目的意識」を持つ
- 2強豪校が取り入れる練習メニュー2選
- 3応用練習の前に確認すべきこと
- 4ポジション別プレーのコツ
- 5攻撃力を底上げするテンポとトスの使い分け
1.練習に「目的意識」を持つ
技術が伸び悩んでいる選手に共通しているのが、「こなすだけの練習」になってしまっていることです。同じ時間練習していても、目的意識の有無で成長速度に大きな差が出ます。
目的意識とは「この練習は試合のどの場面に活きるのか」を常に考えながら取り組む姿勢です。結果として、練習で身につけたことが試合の中で自然と出てくるようになります。
具体例:二段トス練習
二段トスの練習を例に考えてみましょう。「トスを上げやすいパスを出す」練習は、実は効果が薄いです。試合中に都合のいいパスがくる場面はほとんどないからです。
❌ 効果が薄い練習
丁寧で取りやすいパスを出して二段トスを上げる。技術は磨けるが、試合場面と乖離している。
✓ 実践的な練習
極端に高いパス・バックスピンのかかったパス・ネットから大きく離れたパスを意図的に出す。試合で起こりうるシーンを再現する。
練習の質は、ボールを出す側の意識で決まります。「相手を困らせるパス」を出すことが、より実践的なチーム練習につながります。
このように目的意識を持つことで、練習の質を高めることができます。
目的意識については下記記事にて詳細を紹介していますので参考にしてみて下さい。
2.強豪校が取り入れる練習メニュー2選
マンネリ化した練習から抜け出したい人向けに、強豪校でも実際に取り入れられているレベルの高い練習を2つ紹介します。いずれもある程度の基礎力が前提になりますので、基礎が固まってから挑戦してみてください。
バランスボールを使ったディグ練習チーム練習
台上から強打を打ち込む際、ブロックの代わりにバランスボールをネット際に置く。ボールがバランスボールに当たるとランダムな方向に跳ねるため、ワンタッチ後のボールの行方が読めない。
目的:予測外のボールへの瞬発力を養うこと。予想できるボールへの対応は慣れで磨けますが、不規則なボールへの反応は意識的に鍛えなければ身につきません。
パンケーキレシーブからの二段トス練習ハイレベル
チーム内でギリギリ拾ったボール(パンケーキレシーブ)を、さらに二段トスとしてつなぐ練習。通常のレシーブへの二段トスが安定してからの導入を推奨。
目的:チーム全体の「つなぎの質」を底上げすること。ギリギリのボールでも攻撃につなげられるチームは、崩れてからの粘り強さが段違いになります。
下記の記事では、強豪チームで取り入れられている練習について紹介していますので参考にしてみてください。
3.応用練習の前に確認すべきこと
応用練習は楽しく、すぐに取り入れたくなるものです。しかし基礎が固まっていない状態で応用に進むと、練習の質がむしろ下がります。
よくある落とし穴:練習前のスパイク練習では強打が決まっているのに、試合になると強打がほとんど打てない——この原因の多くは「パスの精度」という基礎が固まっていないことにあります。
コンビネーション攻撃を例にすると、セッターへの返球率が50%しかない状態では、半分の確率でコンビそのものが成立しません。まずパスの返球率を安定させることが、応用練習の前提条件です。
基礎の習熟度チェック:コンビ練習に入る前に、「サーブレシーブをセッターへ安定して返せているか」を確認しましょう。返球率が低い段階では基礎練習に戻ることが、結果的に最速の上達につながります。
下記の記事でも、基礎練習の重要性について紹介しているので参考にしてみてください。
4.ポジション別プレーのコツ
エースの条件:心・技・体
エースは「強いスパイクが打てれば良い」ポジションではありません。勝負所で何度もトスが集まる役割だからこそ、3つの柱すべてが求められます。
🧠
心(メンタル)
ブロックに捕まっても「次こそ決める」と向かい続ける粘り強さ。一度止められて引いてしまうエースは相手に読まれます。
⚡
技(スキル)
強打だけでなく、フェイント・ブロックアウトなど複数の得点パターンを持つこと。「引き出し」の多さがエースの真価です。
💪
体(スタミナ)
試合終盤こそエースへの配球は増えます。ヘトヘトな状態では打ち切れず、セッターもトスを上げにくくなります。
下記記事でも、エースの条件についてまとめてみましたの参考にしてみてください。
セッターの心得
セッターの本質は「スパイカーが最も打ちやすいトスを出すこと」です。高さ・スピード・位置の好みはスパイカーによって異なります。
普段から「どんなトスが欲しいか」をスパイカーと話し合う習慣をつけましょう。コミュニケーションの積み重ねが、試合本番でのコンビネーション精度に直結します。
下記の記事では、セッターとして大切なポイントをまとめていますので参考にしてみてください。
守備職人(レシーバー・リベロ)のコツ
守備から流れをつくるポジションに求められるのはパス精度の高さです。レセプションとディグ、それぞれのポイントを整理します。
R
レセプション① 落下地点を早めに予測して動く
予測が早いほど横・後ろへのミスが減る。「待ってから動く」ではなく「読んで先に動く」意識を持つ。
R
レセプション② 面をセッター方向に向ける
腕の面の向きがボールの飛ぶ方向を決める。返球先を意識して構えるだけで返球率が安定する。
D
ディグ① ボールの底(下側)を見る
低い姿勢で上目遣いにボールの底を追うと、軌道が読みやすくなる。
D
ディグ② Aキャッチより「上に上げる」を優先
精度より高さ。「セッターへ返す」より「自コート上に上げる」を第一の目標にすると崩れにくくなる。
下記記事では、レシーバーやリベロの役割や上達するためのポイントをまとめていますので参考にしてみてください。
効果的なサーブを打つためのコツ
サーブはバレーボール唯一の個人技です。チーム状況に関係なく一人でも磨けるため、積極的に練習するべきポイントです。
コートの角を狙う
守備が手薄になりやすい場所。ミスジャッジも誘いやすく、得点に直結しやすい。
弾道を低くする
レシーバーの落下地点予測を遅らせる。ボールの底が見えにくくなり、軌道が読みづらくなる。
具体的なポイントとしては下記のポイントを狙ってみましょう。

下記の記事でも、サーブを打つ際のポイントについてまとめているので参考にしてみてください。
ブロックの3つの目的
「相手のスパイクを止めること」だけがブロックの目的ではありません。場面に応じて3つの使い分けがあります。
1.スパイクを止める(キルブロック)
相手スパイカーの正面に飛び、手をネット前に出して相手コートに叩き込む形を作る。スパイクの威力に負けないよう手に力を入れることが重要。
2.威力を緩和する(ソフトブロック)
手を受け皿のように構えてスパイクの勢いを吸収し、自コート内に返す形。身長が低い場面や相手の打点が高い場面で有効。
3.コースを絞る(チームブロック)
打たせたくないコースを塞いでレシーブ陣の位置取りを決める。現代バレーで最も多く使われる考え方。ブロックとレシーブが連動することで守備力が大幅に上がる。

ブロックのについての詳細は下記のページでも紹介していますので参考にしてみて下さい。
5.攻撃力を底上げするテンポとトスの使い分け
「毎回同じ攻撃がブロックに捕まる」「相手に読まれている」と感じるなら、テンポとトスの使い分けを意識することで攻撃のバリエーションが一気に広がります。
テンポとは?
テンポとは、セッターがトスを上げてからアタッカーがスパイクを打つまでの時間のことです。同じポジションからの攻撃でも、テンポが変わるだけで相手ブロッカーのタイミングを外せます。
テンポ 1
ファースト
トスと同時に踏み込む最速の攻撃。速攻やバックアタックで使われる。
テンポ 2
セカンド
トスが上がってから助走に入る。コンビ攻撃の基本テンポ。
テンポ 3
サード
高めのトスを待って打つ。ブロッカーが下がったタイミングを狙う。
テンポについては、下記の記事でも紹介していますので参考にしてみてください。
トスの使い分け
セッターが操作できるのは「高さ・速さ・位置」の3変数です。この組み合わせを変えることで、相手ブロッカーに的を絞らせない攻撃が生まれます。スパイカーの特性と相談しながら、チーム独自のパターンを増やしていきましょう。
テンポとトスの使い分けはセッターが主体ですが、スパイカー側も「どのテンポで入るか」を事前に共有しておくことで、コンビネーションの精度は格段に上がります。
トスの使い分けについては、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
まとめ
経験者が次のステップへ行くための5つのポイントを振り返ります。
01
目的意識を持つ
「こなす」練習から「試合を想定した」練習に変える。ボールを出す側の質が練習全体を変える
02
実践的な練習メニュー
バランスボールディグ・パンケーキからの二段トスで、予測外の場面への対応力を鍛える。
03
基礎が先、応用は後
パスの返球率が低い状態でコンビ練習をしても成立しない。基礎の確認が最速の上達ルート。
04
ポジション別のコツ
エースは心技体、セッターはコミュニケーション、守備は面の向きと上げる意識が鍵。
05
テンポとトスで攻撃を多様化
ファースト・セカンド・サードの3テンポ×高さ・速さ・位置の組み合わせで、相手に読まれない攻撃を作る。
経験が長くなるほど、技術より「考え方」が成長速度を左右します。練習のたびに「これは試合のどの場面で活きるか」を自問する習慣をつけることが、次のレベルへの最短距離です。












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