この記事を読むと、
- 自分の技術を伸ばすためのポイントが分かる
- 実践を意識した練習の例が分かる
- 個人が抱えやすい悩みとの向き合い方が分かる
などの効果が得られます。
バレーの経験が長くなってくると、練習方法もマンネリ化しモチベーションが上がらず技術の向上も鈍化してきます。
経験が長くなってきたら練習時の考え方も変化させていくことが大切です。
今回は考え方を変化させるポイントについて紹介していきます。
練習の目的を理解しよう
練習に励む上で大切なのは、各練習の目的を理解することです。
練習の目的を理解することで、普段の練習中でも試合を意識した動き方が自然と出来るようになってきます。
結果的に練習の質の向上に繋がり、練習したことが試合の中で生かしやすくなってきます。
ここでは、目的を理解するという事についてより詳しく解説していきます。
練習の目的意識を持つこと
練習の目的を理解する上で、目的意識を持つことが大切です。
理由としては、現状の自分の課題を再確認して課題克服のための練習だということを意識するためです。
練習の目的意識の有無で、技術の向上速度に大きな差が出てきます。
そもそも練習をする理由は、大会または試合で結果を残すために取り組んでいる人が多いですよね。
結果を見据えて練習に取り組むことで、実際の試合をイメージしながら練習に取り組むことができます。
この目的意識がないと、こなすだけの練習となるため実際の試合中にはしない動きをしてしまいやすくなり、結果として練習のための練習だけになり練習の効果が表れにくくなります。
例を挙げて解説していきます。
例:二段トスの練習
この練習の目的は、二段トスを正確に上げられるようになることです。
練習において重要になってくるのは、一本目にどのような質のボールを出すのかです。
二段トスを上げる人がトスを上げやすいようなパスは、あまり効果がありません。
なぜならば、試合中にトスが挙げやすいパスがくる場面が少ないためです。
より効果的な練習にするためには、”一本目のボールを極端に高く上げる”、”極端にバックスピンが効いたボールを上げる”、”ネットから大きく離れたボールを上げる”など実際の試合で考えられるパターンを考え練習に組み込んでいく事が大切です。
このように目的意識を持つことで、練習の質を高めることができます。
目的意識については下記記事にて詳細を紹介していますので参考にしてみて下さい。
練習例の紹介
次に、マンネリ化した練習から脱出したい人に向けて強豪校で取り入れられている練習を紹介します。
今回紹介する練習は2つです。
どの練習もある程度の基礎力が必要となる、レベルの高い練習内容ですので参考にしてみて下さい。
- ディグ練習
ここで紹介するディグ練習(強打レシーブ練習)は、チームとしてのディグ練習になります。
通常のディグ練習との違いは、より実践に近い形をイメージした練習ということです。
練習の内容としては、台上に乗った人が相手側のコートから強打を打ち込むというものですが、ただ打ち込むのではなく、ブロックをイメージしたバランスボールに向かって打ち込みます。
この練習の目的としては、ワンタッチボールに対しての瞬発力を磨くことです。
ブロックの代わりにバランスボールを使用することで、ワンタッチボールの行方が判断しにくくなります。
予測されるボールへの対応は慣れと共に磨けますが、予想外のボールについては意識的に鍛えていかないと反応が難しいです。
- 二段トス
この練習は、チーム内でギリギリ上がったボール(パンケーキレシーブ)をカバーする練習です。
ギリギリで上がったボールすらも二段トスとして繋いでいくというハイレベルな練習です。
この練習の目的としては、チーム内での繋ぎの質を高めるということです。
かなり実践的な場合を想定した練習になりますので、通常のレシーブに対しての二段トスの精度が高まってきてからの導入をオススメします。
以上の2点について練習方法について紹介しましたが、どちらも特徴的でレベルの高い練習ですのでより技術を磨いてく場合には取り入れてみてください。
下記の記事では、強豪チームで取り入れられている練習について紹介していますので参考にしてみてください。
応用練習を取り入れる前の注意事項
次に応用練習について紹介します。
応用練習はとても大切ですが、取り入れる前に注意事項があります。
それは、基礎が固まっていないとパフォーマンスの安定感が出せないということです。
すなわち、基礎が固まっていない状態での応用練習は練習の質が下がってしまいます。
コンビネーション練習を例に紹介していきます。
コンビネーション練習をする際に、基礎となるパスがをセッターへと返球できないとコンビネーションが組めませんよね。
実際の試合だと仮定すると、返球率が50%だと半分の確率でコンビそのものが組めない状況になり、攻撃を仕掛けられない状況になります。
よく大会で目にするのが、試合前のスパイク練習では強烈なスパイクを打っているチームが、試合になると強打がほとんど打てていないという状況です。
この原因は前述したとおり、パスという基礎が固まっていないため、セッターへの返球率が悪く攻撃に繋げられていないという状態です。
応用練習は楽しいですし、いろいろと試したいと考えている人も多いと思いますが、その前に基礎がしっかりと固めてから取り入れていきましょう。
下記の記事でも、基礎練習の重要性について紹介しているので参考にしてみてください。
各ポジション・プレーののコツを紹介
バレーボールでは、それぞれの選手にポジションが与えられポジションごとに特化した練習に取り組んでいきます。
各ポジションでは必要とされることが異なるため、特化した練習が必要になります。
ここでは、ポジション毎のプレーのコツについて紹介していきます。
エースの条件
チームのエースには大事な場面でボールが集まってきますよね。
得点を取る仕事が任されますが、単純に強いスパイクが打てれば良いというわけではありません。
エースは「心・技・体が揃ったプレーヤー」であることが求められます。
- 心
プレーをする上で基盤となるのがメンタルの強さです。
エースというポジションは、勝負所で何度もトスが回ってきます。
試合の中で相手のブロックに捕まってしまう場面もあると思いますが、一度止められたからダメではなく、何度も向かっていく気持ちがとても重要です。
何度も壁にぶつかり、乗り越えることでメンタル面を強化していく事ができます。
- 技
どんな選手でも、試合の中で同じ攻撃を続けていると相手のブロックに捕まる可能性が高くなります。
常に得点を取り続けるために重要なのは、自分の得点を取る引きだし(技術)を増やすことです。
強打スパイクで得点を取れるうちは問題ありませんが、強打スパイクが決まらなくなきた時に他にどうやって得点を取る術があるのかが大切です。
得点の取り方の例を挙げるならば、”フェイントで相手の守備の穴に落とす”、”相手のブロックを利用してブロックアウトで得点を取る”などがあります。
普段の練習の時から、様々な攻撃パターンを練習しておくことをオススメします。
- 体
最後は試合中に力尽きることがない、タフな体作りが必要です。
試合中では、終盤になるほどエースへの配球は増えてきます。
そんな時にヘトヘトの状態だとスパイクを決めきることは難しいですし、セッターもエースへのトスを配給しにくくなります。
試合終盤でも、自信を持って自分のところへボールを持ってこいと呼べる体力作りに努めましょう。
下記記事でも、エースの条件についてまとめてみましたの参考にしてみてください。
セッターの心得
セッターの大きな役割は、味方のスパイカーへのトスのセットアップになります。
セットアップの際に最も大切にすべきことは、スパイカーの求めるトスに応えてあげるということです。
一言でトスといっても、高いトスや低いトス、早いトスや遅いトスなど様々な種類に分けられます。
スパイカーの選手にも個性があるため、好みのトスは様々です。
セッターはスパイカーとのコミュニケーションを密に取り、どのようなトスが欲しいのかを理解しておきましょう。
一番難しいポジションですが、その反面とてもやりがいのあるポジションです。
下記の記事では、セッターとして大切なポイントをまとめていますので参考にしてみてください。
守備職人としての心得
レシーバーやリベロはチームの守護神とも呼ばれ、役割としては守備面からチームを盛り上げることです。
守備面から流れを呼び込むこのポジションにおいて、大切なことはパスの精度を高めることです。
試合中にパスを出す場面と言えば、レセプション(サーブレシーブ)とディグ(スパイクレシーブ)になります。
ここでは、レセプションとディグが上達するためのポイントについて紹介していきます。
レセプションのコツ
- ボールの落下地点を予測を早く行うこと
- レシーブの面をセッターに向けること
レセプションの際は、ボールの軌道を予測し落下地点へと素早い移動を行いましょう。
落下地点の予測が出来るようになると、ボールを横や後ろへ逸らすなどといったミスを減らすことができます。
そして、特に大切なのは面をセッター(返球したいところ)へ向けることです。
レシーブの面をセッターに向けることで、ボールを飛ばす方向が安定し返球率の向上に繋がります。
ディグのコツ
- ボールの下を見ること
- Aキャッチは狙わず、上に上げる意識
ボールの下を見ることで、ボールの軌道を読みやすくなります。
ディグの時は構えは低く、上目遣いでボールの底を見るように心掛けましょう。
ディグの返球の精度ですが、Aキャッチを狙う必要はありません。
もちろん、精度は高いに越したことはありませんが上げることを優先しましょう。
返球のイメージとしては、セッターへ返すというよりも自コート上に上げることを意識しましょう。
レシーブ時のコツを紹介してきましたが、レシーバーおよびリベロの選手はチーム内のボールは全て自分が取るという気持ちが持てるようにパスの技術を磨きましょう。
下記記事では、レシーバーやリベロの役割や上達するためのポイントをまとめていますので参考にしてみてください。
効果的なサーブを打つためのコツ
バレーボール唯一の個人技がサーブです。
チーム事情に関係なく、個人でも磨けるサーブは積極的に練習することをオススメします。
相手にとって取りにくいサーブとは(効果的なサーブ)単純に早いサーブを打つだけではなく、しっかりと狙うべきポイントがあります。
下記ポイントを意識すると、効果的なサーブになりやすいです。
- 相手コートの角
効果的なサーブを打つために大切なのは、相手コートの角を狙うことです。
サーブを打つ時に相手コートの角を狙う理由としては、コートの角に選手を配置するチームが少なく守備が手薄になっている場合が多いこと、相手のミスジャッジを誘いやすい場所であるためです。
具体的なポイントとしては下記のポイントを狙ってみましょう。
- 弾道が低いサーブ
サーブを打つ時大切なポイント2点目は、ボールの弾道を低くすることです。
ボールの弾道を低くすると効果的になりやすい理由としては、レシーバーの選手がボール落下地点が予測しづらい、レシーブの準備が遅れるためです。
前述しましたが、レセプションの時に大切なポイントは落下地点を素早く予測することです。
サーブの弾道が低くなるとボールの底が見えにくくなるため、ボールの軌道を読むのが難しくなります。
結果的に落下地点の予測の遅れやミスの発生し、レシーブの準備が整わない内にボールが手元に来るためレシーブが乱れやすくなります。
以上効果的なサーブを打つためのコツを紹介しました。
実践で生かせるように、普段の練習の中で意識しながらサーブを打ちこんでみてください。
下記の記事でも、サーブを打つ際のポイントについてまとめているので参考にしてみてください。
効果的なブロックを決めるコツ
試合中に相手が取るはずだった一点を奪うことができるのがブロックです。
単純に相手のスパイクを止めることだけを考えていませんか?
ブロックはスパイクを止めることだけが目的ではありません。
ここでは、ブロックの目的と効果的なブロックを決めるコツを紹介します。
目的1:相手のスパイクを止めること
一つ目は、相手のスパイクを止めることです。
この場合、大切なポイントはブロックに飛ぶ位置と手の形です。
ブロックに飛ぶ位置としては、相手スパイカーの体の正面です。
このブロックはキルブロックとも呼ばれ、ネットよりもしっかりと前に出し手に、当たると相手コートに落ちるような手の形をつくります。
相手のスパイクの威力に負けないようにしっかりと手に力を入れ吹き飛ばされないように注意しましょう。
目的2:相手のスパイクの威力を緩和すること
二つ目は、相手のスパイクの威力を緩和することです。
この場合、大切なポイントとなるのは飛ぶ位置と手の形になります。
ブロックに飛ぶ位置は、相手スパイカーの体の正面です。
このブロックはソフトブロックとも呼ばれ、ネットの上または自コートの上で手を受け皿のようにして構え、ブロックの手に当てスパイクの威力が緩和したボールが自コート内に返ってくるようにします。
身長が低い選手や相手スパイカーの打点が高く、相手スパイクを止めることが難しい場合に取り入れられる場合が多いです。
目的3:相手スパイクのコースを絞ること
三つめは、相手のスパイクのコースを絞ることです。
現在では、目的3のブロックを取り入れているチームが多いです。
この場合、大切なポイントとなるのは飛ぶ位置と手の形になります。
ブロックに飛ぶ位置は、自分の守備体制に合わせてストレートまたはクロス側のコース(打たせたくないコースを塞ぐ)に絞って飛びます。
ブロックの位置に合わせて、レシーブ陣の位置取り(ブロックを抜けてくるコース)を決めていきます。
あらかじめブロックで止めるコースはチーム内で確認し、抜けてきたボールは守備で対応していきます。
この場合のブロックは、目的1と同様にキルブロックで構えてブロックコースに来た場合はしっかりとブロックポイントを決められるようにしましょう。
ブロックのについての詳細は下記のページでも紹介していますので参考にしてみて下さい。
チームの攻撃力の強化
試合中にブロックに捕まりスパイクが決まらない、攻撃パターンが単純で相手ブロックに読まれやすいなどといった場面になったことはありませんか?
チームの攻撃力を強化するために大切なのが、”テンポ”と”トスの使い分け”です。
テンポとトスの使い分けについて理解すると、攻撃のバリエーションが格段に増えますので是非覚えていってください。
テンポとは?
テンポとは、セッターがトスをあげてからアタッカーの選手がスパイクを打つまでの時間のことを指します。
テンポを使い分けることで、同じポジションからの攻撃でも相手のブロッカーのタイミングを外すことができます。
そんなテンポですが、スパイカーが助走に入るタイミングにより下記の3種類に分類されます。
- ファーストテンポ
- セカンドテンポ
- サードテンポ
テンポについては、下記の記事でも紹介していますので参考にしてみてください。
トスの使い分け
チームの攻撃力を上げるために、トスの使い分けがポイントになります。
理由としては、攻撃の幅が広がりスパイカー側が優位な攻撃を仕掛けることができるためです。
トスの使い分けとは、トスの早さ・高さ・上げる位置を組み替えるということです。
セッターの選手が主体となり、様々な攻撃パターンを作り上げていきましょう。
トスの使い分けについては、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
多くの人の抱える悩みの原因はこれ!
年齢を重ねるほど、チームの代表やまとめ役を任されて頭を悩ませていませんか?
チームの代表の悩みの原因は、コミュニケーション不足であることが多いです。
理由としては、これまではプレーヤーとして活躍していた人がチームを管理する立場で必要となるスキルが異なるためです。
自分の一人の目線だけでなく、チームの人それぞれの目線から物事を捉える癖をつけていきましょう
すべてを網羅することは難しいですが、下記記事では多くの人が抱えやすい悩みについて解決策を紹介していますので参考にしてみてください。
※すべての人に当てはまるわけではないので、参考程度にしてもらえたら幸いです。
バレーに慣れてきた人に向けて
今回はバレーに慣れてきた人向けに、更に技術を磨いていくためのポイントを紹介させて頂きました。
- 練習の目的を理解しよう
- 練習例の紹介
- 各ポジション・プレーの紹介
- チームの攻撃力の強化
- 多くの人が抱える悩みの原因はこれ!
基礎が身に付いてきたら、普段の練習時の思考を変えていく(目的意識をもつ)ことが大切です。
試合のための練習となるように、実践での動きに近づけた練習となるように意識して取り組んでみてください!
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